クレモナでの所用を終え、列車でミッテンバルトへ向かいました。今回のミッテンバルト訪問の目的は、バイオリン製作学校とバイオリン博物館の見学でした。バイオリン製作学校は無事見学できましたが、博物館の方は今回も休館日で見学できませんでした。何度も来ているのに、何故か臨時休館日にあたる不運続き。今回は偶然に居合わせたドイツ人が館員に「日本から来たのだから特別に見せてあげれば」と交渉してみてくれたのですが駄目でした。
時間が空いてしまったので、ケーブルカーでミッテンバルトを見下ろすWestl..Karwendelspitze山頂付近へ登りましたが、とても素晴らしい眺望を楽しむことができました。こういう経験も旅の醍醐味の一つかも知れません。
CremonaからInnsuburckへ向かう列車より
Verona駅で乗り換え、列車は「新幹線」車両※。
Trento駅を通過。※イタリアなどヨーロッパの「新幹線」は日本とは異なり、在来線と相互乗り入れを行う高速新線という意味です。日本では便宜的に「新幹線」と日本語訳されていますが、現地での呼び名は別にあります。
同上、オーストリアとイタリアの国境を通過。
雪が積もっています。
INNSUBURCK 2004.10.16
インスブルック地図(現地で入手した観光パンフレットより)
インスブルック(Innsuburck)駅
インスブルックはオーストリア・チロル州の州都にしてヨーロッパ・アルプス最大の古都です。人口13万人、標高574m。駅ホームの向こうにオリンピックで使われたジャンプ台が見えます。
↓インスブルック市街の様子。
有名なゴールデンルーフ(Golden Roof)
宮殿
1460年頃にArchduke Sigismund the Rich(1427-1496)によって作られました。
MITTENWALD 2004.10.16-17
ミッテンバルト市街地にある教会。
ホテルから見た山々。ドイツ語で"森の中"を意味する街の名の由来がわかる風景です。昔からミッテンバルトは林業の街として有名でした。良質の木材に、クロッツがクレモナから持ち帰った技術が合わさって、弦楽器製作地ミッテンバルトの伝統が形作られていったわけです。
Mittenwaldのケーブルカー
ケーブルカーで、Westl..Karwendelspitze(標高2385m)山頂付近まで登りました。ケーブルカーは標高差約1300m(Mittenwald=標高933m、終点Bergstation駅=2244m)を途中駅無しで一気に登っています。
ケーブルカーの車中より。
標高が上がるにつれて、ミッテンバルトの全景が見えてきます。
ケーブルカー終点付近。
息をのむような壮大な光景です。
同上
同上
アクシデントから生まれた小登山でしたが、大きな感動を得ることができました。
再びケーブルカーでミッテンバルトまで降りました。
降りてきたばかりの山頂付近に雲がかかっています。
GEWA社
楽器ケースなどの製造で有名なGEWA社の社屋です。
たまたま入ったパブで、地元のシターグループ「Platzl」に出会いました。彼らの演奏を聴きながら、居合わせた人達とビールを飲み交わし楽しい一時を過ごしました。
彼らから購入したCD。
マティアス・クロッツ(Matthias Klotz)像Mittennwaldを象徴する人物です。クロッツ(1656-1743)は、クレモナのストラディバリに師事、ミッテンバルトにバイオリン製作技術を持ち帰りました。
NUREMBERG 2004.10.18
ミュンヘン(Munich)駅
ミュンヘンで乗り換え。
列車はICE-T。ドイツの特急列車ICE(Inter City Express)の新型車両です。VVVFインバータ制御、振り子式を導入し、最高速度230/h。カーブの多い山岳区間の高速化を目指して開発されました。ヨーロッパの鉄道は機関車牽引列車(動力集中方式)が多いのですが、この車両は日本の新幹線と同様の電車(動力分散方式)だそうです。
ニュルンベルク(Nuremberk)
ちょうど玩具見本市が開かれていました。ちなみにニュルンベルクの玩具見本市は世界最大規模です。
ニュルンベルクは人口50万人。中世には神聖ローマ帝国の自由都市としてヨーロッパ交易の拠点となり繁栄しました。ワグナーのオペラの舞台ともなり、デューラーなど数多い芸術家を輩出した街です。第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判だけでなく、玩具・鉄道模型生産でも世界的に有名です。近代的な顔と、中世の雰囲気を併せ持った魅力ある街です。
St.Lawrence in Nuremberg寺院
ゴシック様式のキリスト教寺院としてとても有名です。建築が開始されたのは1250年頃です。
Nuremberk駅
ニュルンベルクで1泊。翌日、列車でBubenreuth(ブーベンロイト)へ向かいました。