チェロの分数サイズ
ヴァイオリンには分数表記の小型サイズがあります。ヴィオラにはありません。でもチェロにはちゃんとあるんです。
チェロは、座位置にて演奏する楽器です。皆でたちっぱなしで辛そうなのにひとり座ったっきり居られる場面もあり。
まあそういうなかれで、楽器の振動を膝で支えておかなければ楽器があっちこっちにゴロゴロしてしまうので、否応なく座っていなければならないのですが、そのサイズ、一応身長で適応基準が慣例的に出ておりますが、やはり身体の大きさによって偉く扱い辛いものを求めてしまう可能性があります。高いので買ってからでは手遅れです。
弾き易いチェロは、左腕を、脇を閉めてぐっと前から上へ肘から曲げ切った高さで拳を握ったところにナットがある、つまりスケールの上端があることです。
少しくらい低い程度でも良さそうです。スケールの下端は、膝上で左右にボウイングする体勢の拳の水平線上ということになります。膝の高さ迄下がってはマトモに弾けなくなります。
丁度サウンドポジションがヘソの先辺が良いのでしょうか。チェロは厚みがありますから結構弦は遠くなります。
左腕を曲げ上げて握った拳の親指で巻き尺の先端を掴み、左膝の上迄の寸法をとってください。少し余裕がある程度にしておきましょう。
それが大体、使えるサイズです。全長よりも、表中Cの寸法が重要になって来るのです。
よって、チェロのサイズ選択は、ヴァイオリンよりも遥かに演奏性に重大な影響を与える要素になってきます。大きくても小さくても、表情を作り出す演奏が難しくなります。