フランスの6月は、年度末です。ジューン・ブライドの結婚式も6月の風物詩ですが、やはり学年末試験の月でもあります。
6月24日、パリ郊外のサン・モール国立地方音楽院では,子供達のヴァイオリンの学年末試験がありました。
1枚目:試験曲は1ヶ月前に発表される。5月にレッスン室に伺いました。12歳のDさん。コンセルバトワールと提携している、中学の音楽科に通っています。5才から始めて、1日の練習時間は2、3時間です。将来はヴァイオリニストになりたいそうです。クロイツェルのコンチェルトを弾いています。
2枚目:主任教授のビアンコ先生。ヴァイオリンの先生は5人。
3枚目:先生が弾きながらレッスン。
1枚目:日仏ハーフの11歳のNさん。Dさんと同じ音楽科に通っています。
2枚目:Nさんは、弓の持ち方がきれい。と、ビアンコ先生。
3枚目:重音の課題曲。手のかたちをくずさないように。と、指導中。
1枚目:ホールで試験のリハーサル。
2枚目:審査員は、校長先生と外部のヴァイオリンの専門家2名。そして父兄会から1名試験の進行の監視が付きます。教えている先生は、審査できません。
3枚目:先生が調弦。
4枚目:毎年試験を受けます。成績が悪いと留年か退学か、なかなかきびしい。
1枚目:結果発表までのドキドキのひととき。
2枚目:審査結果は口頭で発表の後、壁に張り出される。20点満点で採点、学年によっては、4段階に分けられ、一番上でないと上の学年に進めません。
コンセルヴァトワールは、5才からです。まず1年間ジャルダン ミュージカル(音楽の庭)というクラスで、遊びながら、ソルフェージュを学びます。楽譜が読めるようになってから、楽器というわけです。最後に試験があります。たとえば、ピアノやヴァイオリンは希望者が多いので、ソルフェージュの成績により、上位から生徒を取っていきます。
今回のヴァイオリンの課題曲をのぞいてみましょう。
イニシアシオン(入門)
Waggon Wheele 黄色本の第2巻より、一曲選択。 /KatherineとHugh Colledge作曲 /Boosey and Hawkes出版
デビュタン(初心者)1年目
Solo pieces for the biginning violinist by Graig Duncanより第10ページのMenuet /Telemann作曲 /Mel Bay Publication出版
デビュタン(初心者)2年目
Menuet des pages /Eugene BOZZA作曲 /Leduc出版
プレパラトワール(準備クラス)1年目
Concertino Op.34 終楽章 /Rieding作曲 /Bosworth出版
プレパラトワール(準備クラス)2年目
1er Air varie op.89 /Dancla (Pacini)作曲 /Schirmer出版
エレマンテール(初歩)1年目
18e solo de concerto (2ページ目の3段目の第2小節から最後の段の1小節目まで、省略) /Cousin作曲 /Combre出版
Etude Op.96 no.15(最初の3段) /Richard Hofmann作曲 /ZImmermann出版
エレマンテール(初歩)2年目
Prelude et allegro /Clerambault作曲 /Eshig出版
Etude Op.96 no.16 (最初の4段) /Richard Hofmann作曲 /Zimmmermann出版
モワヤン(中級)1年目
協奏曲第19番 第1楽章 /Kreutzer作曲 /Leduc出版
モワヤン(中級)2年目
協奏曲 ニ短調 終楽章 /Mendelssohn作曲 /Peters出版
ファン デチュード(学習終了)
協奏曲 第7番 終楽章 /Rode作曲
ファン デチュード(学習終了)とスタージュへの進級試験
協奏曲 第7番 終楽章 /Rode作曲
パルティータ 第2番 ニ短調より ジーグ /Bach作曲 /Barenreiter出版
スタージュ(研修)
Concerto russe Op.29 第3楽章 /Lalo作曲
Caprice 第4番 /Rode作曲
シュペリウール(上級)
協奏曲 ホ短調 Op.64 第2、第3楽章 /Mendelssohn作曲
ソナタ イ短調 第1番 終楽章 /Ysaye作曲
ペルフェクショヌマン(完成) 現代曲から任意の1曲 バッハのソナタとパルティータの中から1楽章 任意の協奏曲の1楽章