ロンドンの有名な弓メーカRichard Wilson社を訪問しました。
ご多忙のところ快く時間を割いてくださり、弓の話題で盛り上がりました。
Richard Wilson氏と
Wilson氏は工房のオーナであり、高名なマエストロです。氏は昔、プロのビオラ奏者でした。後に有名な弓メーカ「GARNER WILSON」(Garner
Wilson氏は「W.E.HILL&SONS」で修行)で弓製作を学びました。現在はケンブリッジに工房兼住居を構えています。ヒルモデルだけでなく、サルトリやペカットモデル、バロックスタイルなど、あらゆるタイプの弓製作とメンテナンスを手がけており、幅広い信頼を得ています。
Richard Wilson工房の看板Wilson氏からのコメント「あらゆるタイプの弓を製作します。製作依頼については、日本の総代理店であるストラディ金沢に相談してください」
工房内の光景
同上。
工房内に飾られている手紙類
Hillからの書簡など工房の歴史を物語る資料で、とても興味深いものです。
スティック(棹)の材料となるフェルナンブコ(ヘルナン材)。
ラッピング(巻)に使用する蛇皮。
フロッグ(毛箱)に使用する象牙。
スティックの型
アルコールランプで熱を加えながら型に押し付け、スティックの反りをつけます。
画像3枚目はスティックヘッド(先端部)の型。
整形が完了したスティックをオイルを満たした筒に入れ、スティックにオイルを染み込ませています。スティック作成技法の一つです(他にも技法があります)。
上:仕上加工中のスティック。下:荒削り段階のスティック。
フロッグ。左は象牙製、右は黒檀製。
フロッグの構成部品。
フロッグと荒削り段階のスティック。
Wilson氏の弓コレクションの一部より。
同上。
フロッグ上の皮巻きに注意。試奏時に指の脂がスティックに染み込まないための工夫です。