備考
パスカル・カムラ(Pascal Camurat)は、フランス・モンペリエを拠点に活動する著名な弦楽器職人(ルシアー)兼弓製作家(アルシェティエ)です。1960年、フランス北部のランスに生まれ、父ジャック・カムラもパリで活躍したルシアーという音楽一家に育ちました。1979年、19歳でドイツ・ミッテンヴァルトの国立ヴァイオリン製作学校に入学し、3年半にわたりヴァイオリン製作を学びました。その後、フランス・ミルクールでベルナール・ウーシャ(Bernard Ouchard)に師事し、弓製作の技術を習得しました。
カムラ氏は、アメリカ・ロサンゼルスのハンス・ヴァイスハール工房や、イギリス・ロンドンのチャールズ・べアのもとで修復や調整の技術を磨き、ステファン・トマショー(Stephane Thomachot)と共に働いた経験もあります。現在はモンペリエに自身の工房を構え、ヴァイオリンや弓の製作、修復、販売、専門的な調整など、幅広い業務を手がけています。
彼の弓は、良質なペルナンブーコ材を使用し、繊細な美しさと優れたバランスを兼ね備えています。演奏者の指先に吸い付くような感覚と、楽器のポテンシャルを最大限に引き出す表現力が特徴です。
カムラ氏の作品は、伝統的な技術と現代的な感性が融合した逸品として、多くの演奏家から支持を受けています。その高い品質と芸術性は、日本国内でも高く評価されており、また世界中の音楽愛好家にとっても魅力的な選択肢となっています。