備考
Genadi Slavov(ゲナディ・スラヴォフ)ヴァイオリン製作家紹介
Genadi Slavov は、ブルガリア出身のヴァイオリン製作家で、イタリア・クレモナとブルガリア・カザンラクの二拠点で活動しています。
伝統的なイタリアンスタイルに、ブルガリア的な感性と高い技術を融合させたその楽器は、国内外の演奏家から注目を集めています。
【経歴と製作への歩み】
1980年にブルガリアのカルロヴォに生まれ、自然豊かなカザンラクで育ちました。音楽への関心は早く、1988年にはエマヌイル・マノロフ芸術学校に入学。民族楽器ガドゥルカを学び始めます。
1999年にはエクザール・アンティム1世中等教育学校を卒業し、同年ブルガリア・プロヴディフの音楽・舞踊・美術アカデミーに進学。フォークミュージックオーケストラでの演奏経験を積みつつ、2003年に学士号、2006年には優秀な成績でマスターグレードを取得しました。
2004年、ヴァイオリン製作に興味を持ち始め、2006年にイタリア・クレモナへ渡り、兄であるRusi Slavovの工房で製作を学びます。この工房では、次男Rusi、三男Georgiの三兄弟がともに製作を行っており、家族の絆とクラフトマンシップが楽器づくりの核となっています。
彼らはRusiの師である**Marcello Villa(マルチェロ・ヴィッラ)**から大きな影響を受けており、Genadiの作品にも、Villa直系の端正なビジュアルとふくよかなサウンドが色濃く表れています。
【コンクールと実績】
• 2009年 第12回 クレモナ国際ヴァイオリン製作コンクール「トリエンナーレ」7位入賞
• 2011年 ポズナン(ポーランド)・ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際コンクール出場
• 2018年 ANLAIコンクール(ブルガリア・カザンラク)出場
※このコンクールは、現在彼が工房を構えるカザンラク市で開催されました。
【楽器の特徴】
Genadiの楽器は以下のような特長を持ちます
• 透明感のあるニスと細部まで丁寧に仕上げられたボディ
• 明るく品のある音色と、弱音でも豊かな表現力
• 新作でありながら深みのある低音と伸びやかな高音
• イタリア新作楽器のような外観とバランスの取れた響き
【現在の活動】
現在はブルガリアのカザンラクに個人工房を構えつつ、最新の製作情報や材料調達、兄弟との共同作業のために、イタリア・クレモナにも定期的に足を運んでいます。
✍️ 本人の言葉
「楽器は音楽家の声です。だからこそ、音だけでなく感情まで伝えられるようなヴァイオリンを作りたい。」