備考
Joseph Anthony Chanot(1865-1936、ジョセフ・アンソニー・シャノー)
Joseph Anthony Chanotは、ロンドンの有名なコピー楽器製作者ボーラー・ブラザーズよりも高く評価されている作者です。
1865年、ロンドンで生まれました。Georges Chanot(1830-1985)の息子で弟子ならびに後継者です。1881年からWardour Streetで働き、1936年に亡くなりました。ロンドンの弦楽器業界を構成するメンバーの最も注目に値する代表者として記録される高い地位にいました。現在も未来でも非常に高く評価される見事な楽器を数多く製作しました。極めて素晴らしいのはSaintonのガルネリの外形をモデルにしたものです。作品の全ての部分が申し分なく美しいです。音色の特筆すべき豊かさで聞き分けることができ、表現豊かに演奏するためのその性能、繊細さにおいて並外れた品質(モダン楽器としては)、豊かさと響き、音の力の高みへつながる全てが最終的にクレモネーゼやLupotに匹敵するであろうものです。
そのような楽器は、幸運な所有者全てにおいて大いなる誇りと満足をもたらすもので、今現在の文句なしの楽しみを与えてくれるまさに素敵な一品であり、未来への価値ある投資なのです。様々な色合い(一般に山吹色が好まれる)をもった豊かなニスで覆われ、長年の磨耗という試練に耐えるでしょうし、その年月でより素晴らしいものになるでしょう。いつも(修復者として)賢明で特に手際良く全てにおいて巧みであると保証し、鑑定家ならびに価格査定人として良心的という以外の何ものでも決してない、このような一徹な正直さによって以上は裏付けされています。
彼は、現在でも本当に価値があると評価されている弓を多く作りました。たいていのものは明るい色の棹で"J.A.Chanot"の刻印があります。