備考
Lパウルス工房の三代目、Gunter A. Paulus(1949-2006)晩年の2005年作、3starです。ヘルナンボクの良い材料を使用しており、非常に良い弓です。標準的な重さで、しっかりとしています。工房より直接買い付けました。
PAULUSはドイツ・マルクノイキルヘン(Markneukirchen)の弓工房です。現在に至るまでPAULUS一族四代によって受け継がれてきました。
弓製作者としての初代Otto Paulus氏は1891年にMarkneukirchenの楽器工場を営む家に生まれました。彼は弓製作を専門に学び、6年間の修行期間中、August Rau(1866-1925) より高度で貴重な知識を得ました。その後、1923年には自身の会社を興し、1948年にマイスター試験に合格しました。
二代目Johannes O.Paulus氏は1916年生まれ。父親から弓製作の指導を受け、1930年から1934年までの間、MarkneukirchenのC.A.Schuster※工房で弓製作を学びました。修行を終えたJohannes O.Paulusは、第二次世界大戦で召集された後に捕虜となった長い中断を挟みながら、C.A.Schuster工房で働き続けました。捕虜生活から解放された後、彼はC.A.Schuster工房に復帰し、工房が閉鎖される1955年まで働きました。1950年、彼はMarkneukirchenの弓製作でのマイスター試験を全てパスしました。1955年にC.A.Schuster工房が閉鎖された時、彼と彼の父親はC.A.Schuster工房の部屋を引き継ぎ、彼ら自身のブランドで自分達の工房を始めました。Johannes O.Paulusは実績を評価され「Anerkannter Kunstschaffender」という称号を与えられました。本来の仕事に加え、彼はMarkneukirchenの弓製作マイスター試験の審査委員会メンバーでもありました。78歳で第一線からは引退しましたが、息子Gunter A. Paulusへの指導を続けました。
三代目Gunter A. Paulus氏(1949-2006)は幼少時から弓製作者に憧れ、父の的確な指導を受けました。1972年にマイスター試験に合格、1973年まで父の工房で働き、その後独立しました。
四代目Jens Paulus氏は1970年生まれ。彼もまた先代に習い弓製作者の道を歩みました。彼は父に弟子入りし、1992年に弓製作マイスター試験をパスしました。2000年から、Gunter A. Paulus氏とJens Paulus氏の親子で工房を続けていましたが、2006年にGunter A. Paulus氏が死去。現在は四代目Jens Paulusが工房を引き継ぎ活躍しています。