備考
製作証明書付
ガダニーニ・ファミリーの2代目にして、同ファミリーの最も重要な製作者。父ロレンツォの弟(つまり、この有名なJ.B.の叔父)とラテン語読み("Joannes Baptista")は同名であり、イタリア語読みは叔父の方が"Giovanni Battista"、こちらが"Giambattista"だという記述もある。少なくとも、通常J.B.またはG.B.と言えば、この偉大なガダニーニを指すことがほとんどである。
クレモナに生まれ、父ロレンツォ、そしてアントニオ・ストラディヴァリの教えも受けたと言われる。1729年、パルマで製作をスタートし、1740~1749年はピアチェンツァ、1750~1758年はミラノ、1758~1759年はクレモナ、1759~1771年は再びパルマ、1771~1786年にはトリノで製作を行うなど、各地を転々としたため、“放浪の製作者”と言われる。当時の高名なコレクター、コジオ・ディ・サラブーエ伯爵から支援を受けた話は有名。
元来腰を落ち着けて製作するべきヴァイオリンだが、そんなわけでじっくり製作することも、ゆっくりと材料を選ぶこともなかったと推測できる。しかし、仮に見た目が美しくない材料であろうと、その材料が醸す音質の見極めにはこだわり、当時から現在まで音の良さで演奏家に支持を受けている。